今回は「英語がわかると洋画をより楽しめる」という話。
洋画を観るときって音声は英語で日本語字幕をつける派と日本語吹き替え派に分かれたりしますよね。
ただ、正直どちらもおすすめできないというのが今回のおはなし。
日本語字幕や吹き替えの弊害
映画の内容をより正確に理解するには実は日本語字幕や吹き替えでは不十分な場合があります。
意訳されている
まずは意訳について。
そもそも大前提として英語と日本語は全く異なる言語なので、日本語から英語にするのも英語から日本語にするのも簡単なことではないんですよね。
逆の立場から考えてみましょう。
例えば映画『千と千尋の神隠し』ですが英語のタイトルは『Sprited Away』です。
元のタイトルそのものが難易度高いのでなんとも言えないですが、やはり上手く訳すのは難しいです。
英語とドイツ語や、スペイン語とフランス語などはルーツが同じで単語や表現なども似ている点が多いので訳しやすいです。
一方で英語と日本語は大きく異なります。
映画では画面内に入れられる文字数に制限があります。
しかもそうしたなかで、口語なんかはその国特有の表現があったりするので直訳はほぼ不可能になるわけです。
ジョークなんかはよく意訳されますね。
例えば誰かが一言ジョークを言ったとして、そのジョークはその国に住んでいる人が共感できるようなものだったとします。
その一文を決まられた文字数で日本語字幕や吹き替えに訳さなければなりません。
しかしそのまま直訳しても、その国に住んでいる人が共感できるジョークなので説明なしにはその国以外に住んでいる人には理解できません。
制限された範囲内でわかりやすく訳す必要があるので、結果的に直訳できず意訳となるわけです。
なんでもかんでも簡単に訳されてしまいますが、例えば汚い言葉(Swear Wordsっていいます)なんかを例に取ってもたっっっくさんの言い方があります。
なので英語のまま理解するほうがより正確に内容がわかるわけです。
あと意訳というよりかは略されてしまうという代表例であげられるのは固有名詞ですかね。
思いつくところだと例えば「Craigslist(クレイグリスト)」
アメリカでは一般に知られていますが、例えば映画を見ていていきなり会話の中にCraigslistが出てきたら「え、なにそれ」ってなりますよね?なので略す必要があるんです。(記憶が曖昧ですがその映画では会話の文脈を考慮して「不動産サイト」と訳されていました。)
Craigslistはアメリカではとても有名なコミュニティー掲示板で個人間でとにかくなんでも売り買いができるサービスです。
せっかく洋画を見ていても日本語字幕で見ていると現地で知られている用語は略されてしまうので現地で使われる用語が学べません。これは勿体無いことですよね。
普段日本語字幕で見ている人は一度英語字幕にしてみると一発でわかります。
日本語字幕では出てこない単語(特に固有名詞)がたくさん出てきます。
そんなこんなで実は知らないところでたくさん意訳されているんです。
キャラ設定で利用される
ハリーポッターとかが良い例ですよね。
一人称や語尾なんかはすごいもんで、オリジナルからだいぶ味付けされてます。
自分のことを「我輩」なんて言う人いないですよね。
ただこれらはあくまで英語話者や英語学習者としての視点なので、映画を楽しむという意味では理解する上で必要不可欠な配慮になるわけで、子供なども含めた幅広い年齢層が観ることを想定すると仕方ないことだと思います。
逆に考えれば日本における吹き替えはもはや映画を楽しむ上でのひとつの魅力になっていると思っていて、特に海外ドラマなんかはそれが顕著に表れています。
自分の世代でいうなら、『Supernatural(スーパーナチュラル)』なんかがそれに当たります。
次長課長の井上と俳優の成宮寛貴のあのコンビは当時いろんな意味で話題を呼びました。
スパナチュは逆にあれが面白くて良い!っていう人がいましたよね。
こういった理由などから一概に日本語字幕や吹き替えを否定することはできないわけです。
英語が理解できれば洋画をより楽しめる
以上のことからわかるように、英語を聞き取れる人と字幕だけを追っている人とでは入ってくる情報量が違います。
それプラス、英語がわかるだけで映画の内容以上により映画を楽しめるようになります。
アクセントでどこの国かがわかる、もしくはどこの人かがわかる
キャラクターの紹介がなくても、アメリカ人役なのか、イギリス人役なのか、もしくはノンネイティブなのかがわかります。
ジャンルにもよりますが、例えばアメリカ映画を見ていると近隣国にメキシコがあるのでスパニッシュ訛りのアクセントが登場しますね。そうすると説明がなくても「あ、この人たちは移民役なのかな」と事前にわかります。
また、俳優がどこの国の人だかを知っているとより面白くなります。
それはアメリカ人俳優がイギリス人役としてブリティッシュアクセントで話したり、イギリス人俳優がアメリカ人役としてアメリカンアクセントで話したりするからです。
例えば映画『Gone Girl(ゴーンガール)』でエイミー役の女優ロザムンド・パイクはイギリス人ですが、アメリカ人役でアメリカンアクセントで話しています。
同じ例で挙げるなら、海外ドラマだと『Walking Dead(ウォーキングデッド)』でリック役のアンドリュー・リンカーン、『Homeland(ホームランド)』でニコラス役のダミアン・ルイス、『Gossip Girl(ゴシップガール)』でチャック・バス役のエド・ウェストウィックなどは皆アメリカンアクセントで話していますが全員イギリス人です。
今でこそエド・ウェストウィックがイギリス人なんて有名かもしれないけど、ゴシップガールを見ていた当時(もう10年前くらい)なんて完全にアメリカ人だと思ってました。
逆パターンでいうなら有名どころだと『Bridget Jones’s Diary(ブリジットジョーンズの日記)』。
イギリス感のイメージが強い映画ですが、主人公のブリジットジョーンズ役のレネー・ゼルウィガーはなんとアメリカ人なんですよね。(あまりにも自然すぎてイギリス人でも知らない人たくさんいる)
あとは『Pirates of the Caribbean(パイレーツオブカリビアン)』でジャックスパロウ役のジョニーデップがブリティッシュアクセントで話してますね。
いろんな表現を吸収できる
英語学習者にとってはたくさんの会話表現を聞けるのは大きいですよね。
自分の場合リスニング力はほぼ映画や海外ドラマで培ったので、映画を観ることは英語の勉強にもなりました。