実のところ、この催しに関してはそもそも知らなかった。
その存在を知ったのは旅行中、ふととあるコーヒーショップに寄った時であった。
バルセロナの空港から市内に着き、宿泊予定のホテルへと向かう途中であったため軽くエスプレッソでも飲んでいこうと思った。
立ち寄ったのは「Right Side Coffee Bar(Right Side Coffee Roasters)」というお店。
エスプレッソをオーダーするとどうやら二種類の豆から選べるようだ。
なんとなくフルーティなものが飲みたい気分だったのでエチオピアのイルガチェフェ、ナチュラルの豆にすることに。
バリスタに伝える際に「エチオピアで」とオーダーすればいいところをあえて「イルガチェフェで」と言うとバリスタの方は自分が多少はコーヒーの知識があるということを悟ったようでそこから雑談が始まった。
そしてそこで「今週末コーヒーのイベントがあるよ」という情報を得ることに。
決して日数の多くはない旅行であったがせっかくだし数時間程度でも参加しようかなと思い、オンラインでチケットを購入。
後日イベントに向かうことに。
やってきたのはLa Sagrera(ラ・サグレラ駅)。
バルセロナの地下鉄はどことなくイタリアを想起させるものがある。
コーヒーイベントにはこれまでにも国内外問わずWOC含め様々な場所に行ってきた。
これはヨーロッパだけに共通するものかもしれないが大概は中心から少し離れた、言ってしまえばちょっと辺鄙なところで開催されることが多い。
入り口でチケットを見せて会場入り。
いわゆるローカルなイベントなので基本的にはバルセロナ、もしくはスペインがベースの出店が多い。
スポンサーはこっちではよくあるBWTやalpro、Sage、Oatlyなど定番の面々。
2ユーロで蓋付きのカップをゲット。
デポジットなので返却するとお金が戻ってくる方式。
ドイツでいうRECUP的な会社だろうか。
会場について感じたのは想像していたよりも規模が大きいということ。
大きなスペースがいくつかあって中にはたくさんのブースが入っている。
あまり馴染みのない方に改めて簡単に説明すると、チケットにコーヒー代が含まれているのでカップを持っていけばブースでコーヒーを入れてもらえる。
エスプレッソをサーブしているお店もあれば、フィルターコーヒーをサーブしているお店もあって好みや気になる豆を選びながらコーヒーを飲み比べることができる。
気に入ったらコーヒー豆を買ったり、物販を買ったり。
一度にたくさんのお店のコーヒーを味わうことができ、より近い距離感で話を聞いたりできるのがコーヒーイベントの魅力。
賑わっている様子。
まずは有名どころから。
バルセロナを拠点に三店舗のコーヒーショップを運営するロースタリー・コーヒーショップ「Nomad Coffee(ノマド・コーヒー)」。
おそらくバルセロナのスペシャルティコーヒーといえばノマドコーヒーが一番知られているだろう。
ノマドコーヒーのバリスタは頑なにスペイン語で話す人だったので半分くらいしか理解できなかったがコーヒーは美味しかった。
あと有名なところと言えばSlowMov。
こちらもバルセロナで人気のロースタリー、コーヒーショップ。
ブースは非常にシンプルで三つのバッチブリューが用意されていた。
こちらはThree Marks Coffee(スリー・マークス・コーヒー)。
スリーマークスコーヒーもバルセロナで人気のロースタリー、コーヒーショップ。
今注目を集める希少品種Sidra(シドラ)も扱っていてこのコーヒーが非常に美味しかった。
あと、個人的に興味深かったのはスペイン南部アンダルシア地方にあるマラガに拠点を持つロースタリー「LYV COFFEE」。
コーヒーのラインナップが良いのはもちろんのこと、パッケージもウイスキーのボトルのようなデザインで興味深かった。
オランダ・アムステルダムのFriedhatsもこういったボトルを使用したコーヒー豆を使っているが、LYV COFFEEのボトルはまた違った形でデザインが洗練されている印象を受けた。
外ではフードのお店が出ている。
時間が経つにつれて人も増えてきてかなり盛り上がってきた。
自分は旅行で来ている身で時間が限られているのでこの辺で会場を後にした。
ちょっとした偶然で今回このイベントの存在を知ったがバルセロナのコーヒーシーンを肌で体感できたのは非常に良かった。