外国語のスピーキングはやはり実際に話すのがその近道。
なかには日本人同士でも英語で会話しているなんて方々もおられることだろう。
しかし外国語のスピーキングはちゃんとネイティブの人とも練習したほうがいいかも、というのが今回の話。
しかしそんなこと言われても日本人からしたら英語は外国語なわけで、そもそも正しい音かどうかの判別がつかずこの話にピンとこない方もいるだろう。
なかにはネイティブの音なんかにこだわる必要なんてないという考え方もある。
もちろんこれには大いに賛成なのだが言語にはそれぞれ特有のイントネーションというか話すときのリズムというかそういうものがあり、こればっかりは外すことができない。(細かい発音なんかはまだしもね)
なのでなんでもかんでも我流でいいというわけではないのがスピーキングを練習する上で難しいところでもあると思う。
ところでなぜこんなことを言えるのかというと、それは過去に逆の立場で経験したことがあるからに他ならない。
非ネイティブ同士の会話の危険性
話は学生時代に遡る。
大学生の頃はよく外国人の友達ともつるんでいて、その中にはアジア人の友人も何人かいた。
週末には彼らと共にイベントに出かけたりしていたのだが、ある日そのうちのインド出身の友人の家にお邪魔することになった。(仮名としてS君としておこう)
S君はこれまたモンゴル出身の男(A君としよう)とルームシェアしていてその夜はそこで彼らと共にお酒を飲んだりした。(A君とはここが初対面。二人とも日本語学校に通い、日本語を学んでいた)
ところでインド人のS君とは普段英語で会話していたので、これまであまり彼の日本語を聞いたことがなかった。(それでも時折挟んでくる日本語を聞く限り、決して上手とは言えないレベルだということは知っていたのだが)
で、飲んでいるときに突然S君とA君が日本語で話し始めたのだが、これがなんとも衝撃だった。
二人はお互いの日本語を理解し合いながら会話を繰り広げているのだが、ネイティブである私には彼らが何を話しているのか皆目見当もつかなかったのである。
ネイティブと会話することの重要性
このときに「へたに外国人同士で練習するのはよくないんだな」と痛感させられた。
お互いが不十分なレベルの状態で会話する際に、程よい頻度で行う分には良い練習になるのかもしれない。
しかしその反面デメリットも大きく、間違ったものがそのまま癖として体に染み込んでしまう危険性もはらんでいる。
片方がある一定のレベルまで達していればそこまで問題もないと思うのだが、双方が初心者レベルだとこういった恐れがあることは懸念せざるをえない。
ブロークンイングリッシュなんていう言葉もあるが、彼らの歪んだ日本語を聞いた時は「自分の英語はこうはなりたくないな」と思った。
やはりネイティブと会話することは必須であるといえる。
「じゃあネイティブと会話するなら友達を作ってその人と練習すればいいか」と考える人もいると思うが実はそこにもうひとつ難点があり、それは「ある程度の英語力が事前に求められる」ということである。
難点とは
どういうことかというと、これも自分が逆の立場になったことがあるからわかるのだけれど、指摘する立場であるネイティブからしたら日常会話をしながら「相手の間違いを指摘する」ってけっこう難しいのである。
日常生活において外国人である友人と会話していて友人の日本語が間違っているとしよう。しかしこの場では特に「練習したい」という場のもと会話しているわけではなく普通に会話しているので、相手のミスを指摘するのは躊躇してしまうものなのだ。(相手が間違いを指摘して欲しい人じゃないとこちらから勝手に指摘するのは失礼だし、そもそもこちらからしたら相手が指摘して欲しい人なのかどうかもわからない。この立場にたったことのある人なら共感してもらえるはず)
しかもこの相手が「2〜3文話すごとに間違いをする人」だったとしよう。こんな頻度で間違いをする人が相手だったら指摘しても指摘しきれないので、こちらとしては「聞き流す」という選択肢をとらざるを得ない。
というわけでただ単にネイティブと話しているからといって相手が間違いを修正してくれるわけではないので、自分の話す英語を自ら修正していくという意識も非常に重要になってくる。
なので日常会話において、もしネイティブの人と会話するときに自分の英語の間違いを指摘してもらいたいなら相手に指摘してもらいたい意を伝えるということ、また「ある程度それなりの英語力を事前に身に付けておくこと」が大事だと思う。(こんなことできるのは仲の良い友人に限る)
最後に
ということで「ネイティブとの英会話の必須性」また、だからといって誰でも良いわけではなく仮に指摘、修正してもらうなら「仲の良い友人に限る」ということがお分かりいただけただろうか。
また修正してもらうなら「一定レベルの語学力」が求められる。
そう考えると「オンライン英会話」なんかは良い環境だと思う。自分も学生時代には毎日かかさずやっていたのだが「一定レベルの語学力」なんて事前に必要ないし、自分の英語の間違った部分についても気軽に聞けるのでおすすめ。
リアルだったら「語学」を目的としたイベントに参加してみるのもいいだろう。
トーストマスターズなんかも英語の勉強になるかも。自分は学生時代に大学の教授に勧められて所属していた。(ネットで検索するといろいろ出てくるけど怪しい団体ではなく、アメリカ発祥の国際的な非営利団体。)