31歳未満であれば誰しもが行けるワーキングホリデー。
数ある国の中から好きな場所を選んで一年間遊んでもよし働いてもよし、自由に暮らせるこのなんとも魅力的な制度に惹かれる方も多いはず。
しかし実際調べてみるとそこでネガティブな意見もよく目にすることであろう。
そんなわけで自分も一応ワーホリ経験者という身であることからこのワーホリについて思うところを色々と書いていこうと思う。
ワーホリに対する認識のずれ
ネットで色々と読んでいてまず感じるのはワーホリについての一般的なイメージに大きな誤解があること。
というのも、ワーホリというとファームで働いて荒稼ぎする、みたいなイメージを持っている方が多い。
かく言う自分もワーホリ中日本にいる知人から連絡が来てやり取りをしていた時、仕事の話になり「工場ででも働いてるの?」と聞かれたことがある。
海外生活の想像もつかない彼にとっては仕方のないことだが、まだ何の話もしていないのに勝手にそんな推測をされていたことに驚き、ワーホリとは一般的にそんなイメージなものなのだなと思った。
しかし、これはオーストラリア(あるいはニュージーランドも?)特有のものであり、ヨーロッパでこういったことはおそらくない。
多くの人にとって外国語といえば英語であり、そうなると必然的にオーストラリアやニュージーランド、カナダといった英語圏の国が人気となる。
中でもオーストラリアはその気候もあってか非常に人気でワーホリに行くには定番の国と言える。
こういった事情もあり発信される情報はオーストラリアのものが多く、その結果ファームや工場、ジャパレスなどで働き詰めといったイメージが強いが、ワーホリというのはもっと自由で幅広いものであるということは伝えておきたい。
確かにワーホリでホワイトカラーの仕事をしている人は全体のごく一部かもしれないが一定数いる。
一方でお金が稼げるというのはあながち間違っていない情報だと思う。(大前提として当然人による)
海外でお金が貯まるのかという議論がされる時に否定派の意見として必ず出てくるのが「物価が高い」という点。
しかし物価が高いといってもその分収入も多いわけで、特に今は円安の影響もあって普通に日本で働くのとでは訳が違う。
例えば外食するにも確かに日本と比べると基本全てが高い。
日本から旅行で来たら値段を見てびっくりするかもしれないが、これはそもそも日本が安すぎるだけでこちらに住んでいれば普通の価格だし当たり前のようにランチやディナーも行ける。
イギリスにいた頃は自分も貯金する意図はなかったものの自然とお金は貯まっていったし、ドイツにいる今でも普通に買い物もするし旅行にも行っている。
覚悟は必要
ワーホリに行くか行かないか、多くの人が懸念するのは帰国後のことであろう。
誰が何をしようと世間一般の認識ではワーホリはあくまでホリデーであり、遊んでいたに過ぎない。
一つ言えるのはワーホリに行くというのは日本で敷かれた人生の正規ルートを歩んできた人からすれば一般的な選択肢とは言い難い。
大袈裟に言ってしまえば、普通の人の道から少し外れるというような感覚があることだろう。
そしてこの感覚は間違っていないと思う。
皆が足並みを揃えて就活し社会に出て切磋琢磨する中で、ワーホリに行くというのは覚悟がいる。
しかし、ワーホリに行くというのはそういうものなのだと思う。
なので周りからの意見なんかを気にして行くかどうか迷うくらいなら行かないほうがいい。
つまりリスクがあることを知りつつも、それを振り切ってでも行きたいという欲求がある人が行くべきであると思う。
目的とその後どうするのか考えておくことは大事
では、行きたい人はどうすればいいのか。
ここですでにワーホリを経験した多くが辿り着く一つの答え。
それが「行くからには何か目的、もしくは目標を持とう」というものである。
いろんな意見があるワーホリという制度だが、不思議なものでこれまでワーホリに行った人の中でワーホリに行って後悔しているという人には出会ったことがない。
しかしどんな人でも後悔はないものの、「ああしておけばよかったな」と思うことの一つや二つはあるだろう。
海外に住むというのは刺激的なものだが、家を決め仕事を見つけて安定してくるとそこからは日常になり、だらだらとしてしまうものである。
ワーホリは自由であり、それが目的で海外に来ているなら話は別だがそうではないなら何かゴールのようなものがあったほうがよりエキサイティングな日々を過ごすことができるだろう。
理想を言えばワーホリに行く前から帰国後どうするかも事前に考えておきたい。
自分ははなから帰るつもりはなかったので考えていなかった。
しかし帰国することが前提であるなら考えておかないと不安になっていくものである。
というのも帰国まで数ヶ月に迫り「日本に帰ったらどうしよう」と悩む知人をたくさん見てきたから。
自分の中でルールを設けることも必要かもしれない。
自分には一つあって、それはワーホリ自体が目的にならないようにしたこと。
もちろん3カ国や4カ国、様々な国に住んで生活を体験できるというのは魅力的である。
それが目的であるなら構わないのだが、自分にとってワーホリは目的ではなく手段であり海外移住を実現させるためのものであったから。
最後に
海外生活に興味があると、自然と周りにそういう人が集まってくるもので、日本に住んでいた当時自分の周りにもワーホリに興味があるという人が一定数いた。
しかし実際皆口にするだけで大体の人は行かなかった。
結論行く人は誰になんと言われても行くし、行かない人は誰になんと言われようが結局行かないものである。
色々書いてきたが個人的にはワーホリは全然ありだと思う。
特に、海外で長期で暮らしたい人にはちょうど良いきっかけ作りになるはず。(ビザ切り替え等で延長できるかどうかは国によるので調べる必要あり)
仮に日本で一生暮らしていくという人でも人生100年時代と言われている昨今そのうちの一年くらい海外で生活してみて、全くの別世界をリアルで体験するというのも面白いのではないかなと思う。