コーヒーのグラインド【挽き具合とグラインダーの話 / 一杯の珈琲ができるまで #5】

今回はコーヒーのグラインドについて。

コーヒーは焙煎した豆を挽くことによって飲めるようになります。

海外ではコーヒー豆を挽く器具のことをグラインダーといいますが、日本ではコーヒーミルやミルという言い方の方が一般的かも。この記事では「グラインダー」で統一して書いていきます。

グラインダーの種類

グラインダーのタイプ

グラインダーには大きく分けて二種類あります。

ひとつはBlade Grinder(ブレイドグラインダー)です。

出典:Melitta Japan

刃の回転によって豆を挽くタイプのものになります。

安価なものが多く、精度や均一性はあまりよくありません。

もうひとつがBurr Grinder(バリグラインダー)です。

出典:Melitta Japan

筒状の刃の回転によって豆を挽くタイプのものや、上下に重なり合った刃によって豆を挽くタイプのものがあります。いろんなタイプがありますが、コニカルカッターやフラットカッターなどはこれにあたります。

Automatic(自動)か、もしくはManual(手動)か

一見自動タイプのほうが高性能でちゃんとしていそうですが、自動タイプも手動タイプも様々な価格帯のものがあり一概に自動タイプが良いとは言えません。手挽きタイプでも自動タイプより高額で精巧な作りのものがあります。

ラクなのは当然自動タイプです。ボタンひとつで一瞬で挽くことができます。

一方で手挽きは挽くのが面倒ですが、持ち運びに便利です。それぞれに良い面があるので、選び方としてはコーヒーを飲む人の用途に応じてどちらか選択すればいいと思います。

挽き具合の種類

なぜコーヒー豆は粗く挽いたり、細く挽いたりする必要があるのでしょうか。

コーヒーにはBrew Ratio(抽出率)という概念があって、簡単に説明すると豆の量や使うお湯の量、最終的に出来上がるコーヒーの量などに黄金比があります。

そしてコーヒーの挽き具合は抽出する際の時間に影響してきます。

なのでコーヒーの淹れ方によってそれぞれに適した豆のサイズがあるわけです。

というわけで本題に入ります。

挽き具合は大きく「Coarse(粗挽き)」「Medium(中挽き)」「Fine(細挽き)」「Extra Fine(極細挽き)」に分けられます。(細かくみると上の図のように6、7種類に分けられます)

さきほど抽出率についても軽く触れましたが、コーヒー豆の挽き具合はコーヒー豆が水に触れている時間によって決まります。

抽出方法によって抽出時間が異なるので基本的にはそれに合わせて挽き具合を決めることになります。

Coarseは抽出時間の長いFrench Press(フレンチプレス)やCold Brew(コールドブリュー)などに適しています。

Fineは抽出時間の短いEspresso(エスプレッソ)やAeroPress(エアロプレス)などに適しています。

Mediumはその中間でPour-over(ドリップコーヒー)やChemex(ケメックス)などに適しています。(Pour-overに関しては使うドリッパーによって落ちるスピードが異なるので一概にMediumとは言えません。なのであくまで目安です)

グラインダーの必要性と重要性

グラインダーって必要?

グラインダーを持っていない人がカフェでコーヒー豆を購入した場合、ほとんどのカフェでは豆をその場で挽いてくれます。

ではなぜグラインダーを持つ必要があるんでしょうか。

それはコーヒー豆の特徴にあります。

コーヒー豆は一度挽いてしまうとものすごいスピードで味や風味が劣化していきます。

コーヒー豆は大体200〜300gくらいで販売されていますが、まとめて一気に挽いてしまうとどんどん風味が劣化していってしまいます。

なので理想としては毎回飲む分だけその都度挽くのが良いというわけです。

グラインドは均一性が重要

さて、グラインダーの必要性がわかったところで次はグラインダーの精度について。というのもただ挽けるだけでは意味がないんですね。

コーヒー豆のグラインドはグラインドした豆ひとつひとつの均一性が重要になります。

というのもグラインドした豆ひとつひとつのサイズがバラバラでは味や風味に大きな影響を及ぼします。

なのでグラインダーの良し悪しによってコーヒーの味は大きく変化します。なかなか面倒くさいですよね。

なのでグラインダー選びは重要になります。

おすすめのグラインダー

自動ならこれ一択

wilfa(ウィルファ)はノルウェーのブランドです。ノルウェーといえば浅煎りの北欧コーヒーとして有名ですね。

スペシャルティコーヒーの文化が盛んなロンドンでもSquare Mile Coffeeをはじめとして多くのコーヒーショップでこのグラインダーが販売されています。

自分も使ったことありますが、操作も簡単です。

デザインもシンプルでかっこいいですよね。

家庭用のグラインダーとしては最高なんじゃないでしょうか。

手動ならこれ

Porlex(ポーレックス)は日本の会社で国内で製造されています。

手挽きグラインダーの中では一番評判が良く、評価の高い印象があります。

もうひとつおすすめなのがこのHARIOのグラインダー。

というのもPorlexは非常に精巧な作りのグラインダーでおすすめなんですが、その分高価格です。

その点このグラインダーは比較的安価の部類に入ります。

これも使ったことありますが、やはり「HARIO」なので値段の割にはしっかりしてる方だと思います。

Porlexには劣りますが、安価で性能もそこまで悪くないので初めてのグラインダーとしておすすめです。

ということで今回は珈琲豆のグラインドについてまとめてみました。

最後はJames Hoffmanが最近の動画で言っていた一言で締めます。

You need a grinder, to make life delicious.”