コーヒーの焙煎【コーヒーのはなし】

コーヒーの精製に引き続き、今回は焙煎について書いていきます。

焙煎とは

簡単にいうとコーヒーにおける焙煎とは生豆を加熱することを指し、

焙煎温度と焙煎時間の調節によってコーヒーの味の仕上がり(酸味、甘み、苦味など)をコントロールします。

この過程を経て、茶色い豆の状態になりコーヒーとして飲めるようになります。

上の図は温度の上昇を可視化したグラフ(ローストカーブ)になります。

青の線が豆の温度、赤の線がROR(Rate Of Rise)を表しています。

RORとは一定時間における温度の上昇率のことです。

青の線はチェックマーク、もしくはナイキのロゴのような形をしていますね。焙煎では一般的にこのような形になります。

焙煎に要する時間

焙煎に要する時間って大体どのくらいだと思いますか?

僕はコーヒーを始める前は数時間かかるのかと思っていました。

ロースト具合にもよるんですが、一回の焙煎に要する時間はおおよそ10〜15分です。

焙煎の段階

Stage 1: Drying(ドライング)

事前に焙煎機を温めておいてから豆を投入します。

生豆の成分は11〜13%が水分です。

この段階ではこの水分を蒸発させ、乾燥した状態に持っていくのが目的です。

そうすることによってこれから均一に火を通しやすくするためです。

この段階では見た目や香りはほとんど変わりません。

Stage 2: Yellowing(イエローイング)

乾燥した状態になったら本格的に加熱していきます。

ここから豆は黄色、そして茶色へと徐々に色を変化させていきます。

焙煎中に豆の内部にガス(水蒸気や二酸化炭素)が生成され、その圧力によって豆は膨張していきます。

このDryingとYellowingは非常に重要な段階で、表面から芯までバランスよく均一に火を通していく必要があります。

だんだんと香ばしい香りがしてきます。

Stage 3: First Crack(ファーストクラック)

溜まったガスの圧力によって豆が破裂し音が鳴ります。

これをファーストクラックといいます。(日本では「ハゼ」といいます。これは1ハゼです。)

この段階からコーヒーはいくつかの化学反応を起こし、それによって様々な香りやフレーバー(酸味や甘みなど)を持つようになります。(あとで説明します)

浅煎りは大体このファーストクラック前後にあたります。(あくまで目安)

Stage 4: Roast Development(ローストデベロップメント)

加熱している豆は時間が経つにつれて酸味が減り、苦味やボディが増していきます。

ここでは酸味と苦味のバランスなどを見極めることが重要になってきます。

中煎りは大体この段階にあたります。

Stage 5: Second Crack(セカンドクラック)

ここでまた豆がまた破裂し、先程よりは小さい音が鳴ります。

これがセカンドクラック(日本だと2ハゼ)です。

中深煎りが大体この段階にあたります。

セカンドクラックから豆の表面には油分がでています。

酸味はなくなり、新しいフレーバーのゾーンに突入し、ウッディ、さらにいくとスモーキーになっていきます。深煎りですね。

深煎りの豆は油分がすごくてギトギトしてますよね。あれは品質の問題ではなく焙煎具合によって起こるものです。

焙煎中に起こる化学反応

上でいくつかの化学反応によって様々な香りやフレーバーを持つようになると説明しました。

コーヒーは本当に多種多様な香りやフレーバーを持っていますよね。

実はこの香りやフレーバーは焙煎中に起こる化学反応によって生まれるもので、コーヒーの持つ「糖」と「酸」によって引き起こされます。

Maillard reaction(マイラード反応)

マイラード反応は用語自体は知らなくても多くの人に馴染みのあるものです。

例えばパンをトーストしたとき。パンは色を変え、香ばしい香りがします。これがマイラード反応です。

マイラード反応とは糖とアミノ酸が加熱によってメラノイジンを生成する反応のことで、褐色物質と香気成分、フレーバーを生みます。

これによって豆は色を変え、香りやフレーバーをもちます。

Caramerization(カラメル化反応)

カラメル化反応とは糖が加熱によってその糖質を変化させる反応で、褐色物質+甘み成分や苦味成分を生みます。

これによって豆はマイラード反応と同様に色を変え、甘みや苦味をもちます。

焙煎度合いによる豆の分類

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出典:Bean Hoppers

焙煎度合いによる豆の分類は大体まず大きく4つ、そしてそこからさらに細分化して8つに分けられます。

Light Roasts(浅煎り)

  • Light Roast(ライトロースト)
  • Cinnamon Roast(シナモンロースト)

浅煎りは焙煎時間が短いので軽いボディで苦味はほとんどなく、酸味が強くなります。

軽さと豊かな酸味や甘みにより、フルーティでティーのような味わいになります。

Medium Roasts(中煎り)

  • Medium Roast(ミディアムロースト)
  • High Roast(ハイロースト)

中煎りは一般的なコーヒーですね。酸味と渋みのバランスが良く、万人受けするコーヒーになります。

Medium Dark Roasts(中深煎り)

  • City Roast(シティロースト)
  • Full City Roast(フルシティロースト)

中深煎りは焙煎時間が長いので酸味は少なく、苦味が強くなります。

スペシャリティコーヒーではChocolatyやCaramelといったような表現がされます。

Dark Roasts(深煎り)

  • French Roast(フレンチロースト)
  • Italian Roast(イタリアンロースト)

深煎りは中深煎りよりも焙煎時間が長いのでリッチなボディで酸味はほとんどなく、苦味はより強くなります。

スペシャリティコーヒーでは一般的にWoodyやSmokyといったような表現が使われたりします。

焙煎は奥が深い

焙煎は非常に奥が深いです。

焙煎温度や焙煎時間は数度や数秒で味に大きく変化をもたらします。

焙煎中に起こる化学反応によって生まれる酸味、甘み、苦味をコントロールし、理想の味を見極める作業になります。