ベルリンでドイツの運転免許証に切り替える方法

海外で運転する際短期間であれば基本的に国際免許証を発行してもらうことで運転することができる。

自分も昔アメリカに旅行に行った際、この国際免許証を持って西海岸をドライブした。

国際免許証の有効期間は一年間。

ドイツでは日本の免許証と国際免許証そしてドイツ語訳と共に携帯することで六ヶ月間運転が可能となり、それ以降は別途手続きが必要となる。

正直なところ自分は運転する予定はない。

しかしせっかくこうして海外に住んでいるのなら「手に入れられるものは持っておきたい」と思うのが常である。

それに運転免許を持っていればちょっとした旅行で使えるのも便利である。

以前イギリスに住んでいた頃にも現地で免許を作った。

イギリスでは国際免許証ではなくて免許の切り替えがおすすめ

イギリスと同様、ドイツでも日本の運転免許証を持っていればドイツの運転免許証を作ることができる。

ドイツで運転免許を持つ最大のメリットといえば、やはりその運転できる範囲であろう。

イギリスの運転免許証は所詮英国内でのみ有効であるが、ドイツのものはEU運転免許証であり、EEA(欧州経済領域)加盟国(EU加盟国とEFTA(欧州自由貿易連合)加盟国の一部)で有効である。

以下がその国々。

ベルギー、ブルガリア、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ギリシャ、イングランド、アイルランド、イタリア、クロアチア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、モナコ、オランダ、オーストリア、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スウェーデン、スロバキア、スロベニア、スペイン、チェコ、ハンガリー、キプロス、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー

実質ヨーロッパなら大体どこでも運転可能となる。

ただ一つ懸念点もある。

それはドイツの場合日本の免許を失ってしまう可能性があるということ。

厳密に言うとイギリスでも一旦は日本の免許証を送らなければならないが、後日日本大使館で手続きを済ませれば返還される。

ドイツでも同様の流れで日本大使館で返還の手続きをするのだが、ドイツでは原則一つの国の免許証しか所持できないというルールがある。

しかし日本では運転免許証は身分証としても広く使われるため、申請すれば基本的には返してもらえるらしいのだが実際どの程度の確率で返ってくるのかは不明である。

というわけで申請しない限り日本の運転免許証は返ってこないので、日本への一時帰国の際はドイツの運転免許証に別途公的な日本語訳の書類が必要となる。(日本語訳は大使館等にて申請可能)

さて、問題はその申請方法。

ネットで『ドイツ 運転免許 切り替え』等で検索をかけると様々な情報が出てくる。

というのも、ドイツは州によってルールが異なるからである。

それに年々ルールが変わったりするし、もっと言ってしまえばあなたの当たった担当官によっても内容が変わってくることも。

そういった事情もありどれが本当に正しい情報なのかが判断しづらいので、どの州の情報かを把握した上でいくつかのものをチェックしつつ比較しながら調べていく方法がおすすめ。

この記事もそのうちの一つとして参考程度に考えてもらえるとありがたい。

ちなみに、筆者はベルリン在住なのでその点も悪しからず。

ドイツの運転免許証を取得する方法

まず公式による情報はこちら。

参考 運転免許証についてドイツ連邦共和国大使館・総領事館

参考 車両の運転と運転免許証在ドイツ日本大使館

そして大まかな流れはこんな感じ。

在独日本大使館にて運転免許証のドイツ語翻訳を入手

もしくはドイツ自動車連盟(ADAC)、資格を有する翻訳者に依頼する

必要書類を持ってBürgeramt(市民局)にて運転免許を申請

もしくはFührerscheinstelle(運転免許センター)でも可

後日、Führerscheinstelle(運転免許センター)にて受け取り

第一ステップと第二ステップに関してはいくつか選択肢がある。

自分は日本大使館と市民局で手続きを行なった。住んでいる州や地域によって各々やりやすい方法を選べばいいと思う。

在独日本大使館にて運転免許証のドイツ語翻訳を入手

まずは第一ステップ。

自分は大使館でドイツ語翻訳を発行することに。

大使館があるのはHiroshimastrasse(ヒロシマ通り)。

荷物検査して中へ。

運転免許証のドイツ語翻訳が欲しい旨を伝え申請書をもらい、記入。

申請料は17ユーロ、後日取りに行くことになる。

必要書類を持ってBürgeramt(市民局)にて申請

続いて第二ステップ。

自分は市民局にて申請することに。

さて、用意するものは以下の通り。

  • パスポート
  • 日本の運転免許証
  • Meldebescheinigung(住民票)
  • 運転免許証のドイツ語翻訳
  • 証明写真

申請には予約が必要。

基本的な流れは住民登録やビザ申請の際と同じで日付と時間、場所を選択する。

リンクはこちら

可能であれば、お近くの市民局を選ぶことをお勧めする。

自分が訪れたのはミッテにある市民局。

まずは待機室にて自分の予約番号が呼ばれるのを待つ。

呼ばれたらその担当官の人の元へ。

スタッフはフレンドリーな人で終始英語でやり取りさせてもらえることとなった。

しかしここで一つ、トラブルが発生。

というのも、ドイツ語翻訳を受け取った後日本へ一時帰国し免許の更新をしてしまったため、ドイツ語翻訳に書かれている運転免許証の内容と実際の運転免許証の内容に有効期限等の違いが生じていたのである。

この点、スタッフにはかなり突っ込まれたが、なんとか事情を説明し了承を得た。

「約一ヶ月後、所定の住所に訪れて発行された免許証を受け取る」とのこと。

申請料である36ユーロを支払い、その場を後にする。

一ヶ月後、Führerscheinstelle(運転免許センター)にて受け取り

というわけで免許センターへ。

前回の市民局での手続きの際に「予約は必要ないから」と聞いていたが、実際行ってみると入り口のガラスには太字で「予約必須」の文字が。

まぁ受け取るだけだし問題ないか、と中に入ったら案の定却下。

予約が必須だという。

ここで先方と言っていることが違う、という超典型的なドイツ的洗礼を受けることに。

多少いらいらしつつなんとか説得を試みたが非常に頑固でどうしようもないので断念。

ガラスに貼られた紙の指示通り、指定のメールアドレス(Post.Fahrerlaubnis@labo.berlin.de)に予約したいという旨のメールを送信。

数日後、向こうが勝手に指定した日付と時刻(ど平日の朝)が送られてくる。

この勝手に日付指定してくるシステムはとてもじゃないがあまり良いとは思えない。

仮に日本だとしたら「この日予約が入ったので会社休みます」なんていうわけにはいかないだろう。

しかし、これがまかり通ってしまうのがドイツである。

とにもかくにも、後日再訪。

ここで日本の運転免許証と引き換えにドイツの運転免許証を交付される。

最後に

ヨーロッパに長く住む予定であるなら運転免許の切り替えはおすすめ。

現地や旅先等でも公共交通機関では行きづらいような場所にレンタカーで行けるようになるのは大きい。

逆に長く住む予定がないのなら免許の切り替えはしない方がいいと思う。

日本の免許が返ってくるのかわからないというのはいずれ日本で生活していくかもしれない人にとってはちょっとしたリスクである。

というわけで、日本の運転免許が手元に返ってきた暁には「追記」という形であらためてここに書こうと思う。


後日日本大使館に連絡、そして無事日本の免許証が手元に。

結局かかった期間は大体三ヶ月くらい。

イギリス、ドイツに加えて日本と免許証の三枚持ちになった。