「Crankhouse Coffee」でH3 Hybrid / Yeast Inoculationの豆を買う【精製における発酵について】

タイトルにもあるとおり、今回はCrankhouse Coffee(クランクハウスコーヒー)でちょっとした変わり種を買ってみました。

『FINCA SAN PEDRO PINEAPPLE CANDY』250g £9.50
Tasting Notes: Pineapple, Mango and florals

  • Country: Nicaragua
  • Region: Jinotega
  • Varietal: H3 Hybrid
  • Elevation: 1350 – 1400masl
  • Process: Yeast Innoculation

一般にニカラグアの豆はフルーティでクリーンな酸味が特徴です。

ところで品種がH3 Hybrid、精製がYeast Inoculationと、コーヒー好きではない限りあまり聞き馴染みのないものがありますね。

今回はこれらを簡単に紹介したいと思います。

H3とは

H3はカトゥーラとエチオピア在来種との交配で生まれたF1ハイブリット種のひとつです。

F1品種とは「雑種第一世代」のことで、異なる形質を持つ品種をかけ合わせると両方の優性遺伝子だけが発現します。

CIRAD(フランス農業開発研究国際協力センター)、PROMECAFE(中米を中心としたコーヒー研究機関)、CATIE(コスタリカにある国際機関「熱帯農業研究高等教育センター」 )によって開発されました。

クランクコーヒーハウスのウェブサイトによれば、H3は栽培の面でさび病への耐性が低いという欠点があり選考には残らなかったんですが、味の面ではカップクオリティが非常に高かったのでこの品種の栽培が続けられていたそうです。

Yeast Inoculationとは

つづいてYeast Inoculationについて、順を追って説明します。

精製(Process)についてはこちらに書いてあります。

精製を行う上で「発酵」もひとつのキーワードで、どう発酵させるかによってコーヒーの味や風味に影響を与えます。

一般的な精製ではAerobic fermentation(エアロビックファーメンテーション、好気性発酵)といい、酸素に触れた状態で発酵させます。

一方でAnaerobic fermentation(アナエロビックファーメンテーション、嫌気性発酵、アナエロビコともいう)は酸素に触れさせずに発酵させることをいいます。

酸素に触れるか触れないかによって反応を示す菌などが異なってくるので、結果として味や風味に大きな違いを生みます。

Yeast Inoculation(イーストイノキュレーション)という方法ではイースト菌を加えて発酵させます。

クランクコーヒーハウスのウェブサイトによると、今回の豆ではSaccharomyces cerevisiae(出芽酵母)が使用されていて、これを加えることによってトロピカルなフレーバーとフローラルなアロマがうまれたそうです。

実際に飲んでみたんですが、かなり独特な特徴のある風味でした。個人的にはけっこう好きです。

最後に

Crankhouse Coffeeはイングランド南西部のエクスターにあるロースタリーです。

いろんな種類の豆を取り扱っているので、ちょっと変わった豆が欲しいときなんかにもおすすめです。

https://www.crankhousecoffee.co.uk/