ワーホリビザを使ってドイツにやってきてから月日は経ち、ついにワークビザを取得することができました。
約三年前、日本で計画を立てていた時はイギリスYMSからのドイツワーホリ、その後はフリーランスビザを取り活動していくつもりだったので、予定していた人生プランとは少し変わってしまったんですが、いずれにせよこれからも合法的にドイツにいれるということで嬉しい限りです。
働いている会社の方からは採用の段階で「ワークビザ取るならサポートするよ」と言ってもらってはいたものの、じゃあ実際どうやって取るんだろうかと。
会社の方もこれまでそういった手続きは経験がなかったようですし、ネットで日本語や英語でググってみてもいまいちしっくりくるような情報に出会えなかったのでよくわからず。
結局自力でなんとか調べながらビザを取得することができました。
具体的な申請方法などについてはまた別の記事でまとめるとして、今回は就労ビザを取るに至った経緯や今の心境なんかをまとめようと思います。
ドイツにきた理由については以前にまとめているのでそちらを見てもらえたら。
海外で生きていくということ
そもそも短期の海外滞在ではなく長期滞在を目指してイギリス、そしてドイツへと流れてきたわけですが、実際いざ住めるとなったら将来のこととかも考えて悩みました。
やはり「住む」となったら、それは生活そのものに大きな影響を与えるのでどこで暮らしていくのか、その国選びは重要ですよね。
ドイツという環境が自分に本当に合っているんだろうか、と考えたり。
これまで様々な国を訪れて見てきましたが現地で働いたわけではありません。
そのほとんどは旅行であり、それだけではわからないことがたくさんあります。
考えてみるとまともに住んだことがあるのは日本とイギリス、ドイツのみ。
たったそれだけなのにこれから住み続けるかもしれない国をこんな簡単に決めてしまっていいのかと。
こんなご時世ということもあって一時帰国のタイミングも逃してしまったので日本の恋しさもあったり。
選択肢は大きく分けて二つ。海外に残るか、または本帰国するか。
「海外に残る」という方向でも、その中での選択肢について考えました。
例えば、「他の国へのワーホリに行く」とか。
一応年齢的にはまだ余裕があります。
新たな新天地へと行ったら、思わぬ出会いがあるかもしれません。
近隣国で調べてみたらオランダとかけっこう良いかもな、なんて思ったり。
あとはイギリス滞在時代、ロックダウンで暇だった時にネットで調べていて発見した「チェコ留学」という選択肢。
参考 【脱日本】元ニートの僕がチェコの大学を留学先に選んだ理由悠々ユーロ
意外と知られていない目から鱗の情報がたくさん。
自分はドイツでの半年間に渡るニート生活で貯蓄が底をついてしまったので無理でしたが。海外移住したい方、一読の価値あり。
と、まぁ選択肢はいくつかあったんですが、結局はすべて断念しました。
理由は単純で、身体的にしんどいから。
このブログを書き始めた頃は自分もまだ若かったですが、気づけばそこそこ良い歳に。
もう国境を越える規模の引越しに疲れてしまいました。
生活拠点をまるっと変えるってかなりエネルギーが必要なんですよね。消費カロリーはんぱないです。
しかもこれが国も移動するとなると新たな国でも諸々の手続きから家探しなどなど、けっこう面倒なことが多々ありまして。
去年国をまたいでようやく生活が落ち着いてきたところなのにさらに移動をするなんてちょっと考えられませんでした。(元々生活してたイギリスに戻るとかだったら話は別だけど)
というわけで選択肢はいくつかありつつも、自分にとってはドイツか日本のどちらかにするという結論に。
いろいろと悩みつつも結局ドイツに残ることを決意したんですが、理由はいろいろありまして、もちろんドイツの魅力というのもあります。(これは後述します)
でもそれだけではなくて、本音をいうと「ワーホリを最後に帰国したくなかった」というのが最も大きな決めてとなったかもしれません。
ワーホリを最後に帰国したくなかった
そもそも自分はワーホリビザを使うつもりはありませんでした。
というのも学生時代に日本でたくさんのワーホリ経験者と出会って話を聞いたんですが、その誰もがワーホリを終えて大体約一年で帰国した人であり、そこからビザを切り替えて長期で滞在したという方には出会えなかったんですね。
今冷静に考えてみれば、ビザを切り替えた人はそのまま海外に残っているわけで日本でそう簡単に出会えないというのは当たり前の話なんですが。
20歳の時から海外で生活することに憧れ、いずれは永住することを望んでいた当時の自分としては「ワーホリで海外に行くというのは短期で行くのにはいいかもしれないけれど自分にはあまり向いていないのかな」と感じていました。
そこで就活生になってからはとにかく海外駐在できるような企業に絞って就活したり。
そこから紆余曲折あって結局イギリス(YMS)に行くことになったんですが。
YMSで滞在中も現地で日本人の友人とそういう話になったりもしました。
「帰ったらどうする?」と。
でもそもそも海外移住目的で日本を飛び出してきたわけですから帰国後のことなんて一ミリたりとも考えてないわけです。
また、ある程度の年齢になってからこういったビザを使って海外に行くとなると周りからいろいろと言われます。
「帰ってきたら就活どうするの?」とか「結局遊んでたんでしょ?」みたいな。
良くも悪くもワーホリって誰でも行けるわけじゃないですか。
そういったこともあってか「ワーホリに行くからにはなにがなんでも次のビザに繋げて海外移住してやるぞ」というハングリー精神といいますか、そういう気持ちは常に持っていました。
日本の恋しさはあります(三年ものあいだ帰らないのは長すぎた)。今は少し落ち着いたけれど、半年前くらいはそれで病みかけました。
でも本帰国はしません。というのも帰ったらまた絶対に海外に行きたくなるのが自分でわかるんですよね。
なのでワークビザを取ってドイツに残れるよう決まってから、一時帰国という形で帰ろうと気持ちに切り替えて乗り切りました。
そんな理由で決めたドイツ残留ですが、先ほど軽く触れたようにドイツには魅力がけっこうあるんです。
まず、ドイツの大学は授業料が安い。もちろん例外はありますし、入学するのはドイツ語の資格が必要だったりといろいろあるんですが、ドイツで大学、もしくは大学院に進学して新たなキャリアをスタートさせるのもありなのかなと。
ある程度年齢を重ねると、また大学で勉強したくなるこの現象ってなんなんですかね。
学ぶことの楽しさって歳を取り社会を経験してから知る方も多いと思います。
ワークビザのおかげでこれからかなり長い間ドイツにいられるので、日々貯蓄しながらドイツ語学習に励むというのもなかなか良いと思いませんか。
あとはAusbildung(アウスビルドゥング)というのもあります。これはドイツにある職業訓練制度で職業学校に通って学びつつ、企業での実地研修を受けることができるというもの。
進学、Ausbildung、どちらも口で言うのは簡単であって、実際本当にやるとなったらかなり過酷な道のりとなりますが、そういう選択肢があるというだけでも可能性は広がりますよね。
あとはやはり、ヨーロッパの国々も魅力的。
これは元々自分がイギリスという島国にいたから感じる感覚なのかもしれませんが、ドイツは陸続きで位置的に北欧や東欧など様々な地域に行きやすいので旅行しやすいと思います。
格安LCCはもちろんのこと、鉄道もすごくてパリやウィーン、ブリュッセル、チューリッヒ、アムステルダムなど様々な都市に気軽に行けてしまいます。
こういった点はヨーロッパの国に住む醍醐味と言えるのではないでしょうか。
あと、他の国のビザ事情に少々疎いのでなんとも言い難いですが、ドイツは永住権を申請するハードルも決して高くはないのかなと。
ベルリンは多国籍なので外国人の自分にとっても居心地は悪くないし、けっこうありなんじゃないかなと思います。
話が右往左往して申し訳ないのですが、「いずれはイギリスに戻る」というのも最近は考えていたりします。
というのも、自分含め元YMS組の人たちにとって衝撃的なニュースがありましたね。
それはTier2ビザ(就労ビザ)の内容が変わり、新たにSkilled Worker Visaというビザができたということ。
本筋と逸れるので細かい内容については触れませんが、すごく簡単に言うとワークビザのハードルが少し下がったんですね。
これによってYMS終わりで帰国することなく、そのままSkilled Worker Visaに切り替えてイギリス滞在している人たちがかなり増えています。
これは2020年の末にできた新しい制度で自分の頃にはまだありませんでした。
それより以前のYMSで渡英した人たちの中には自分のように「え、こんなんあったらイギリスに残れたじゃん」という方も一定数いたことでしょう。
Tier2への切り替えはハードルが高すぎて(一部の例外の方を除いて)自分の頃は「YMSが終わったら帰国する」というのが当たり前の世界だったので、これはかなりびっくりなニュース。
だったら自分も近隣国にいるのでSkilled Worker Visaでいずれはイギリスに戻るのもありなのかなと思ったり。
海外生活の第二章が始まろうとしている
多くの人は一年や二年海外で過ごし本帰国していくなか、日本を発ってから一度も一時帰国することなく三年。
一か八かで海外へと飛び出した当時の自分からしたら今夢のような状況にいるわけですが、今の自分としては「ようやくスタートラインに立てた」という感じ。
ここからが本当の勝負といいますか、いよいよ本当の海外生活が始まるんだなという。
いろいろ言いつつも、ドイツに入国した瞬間に「あ、ここで生きていくんだな」と悟った感覚を今でも覚えています。
実際将来はどこにいるのかわかりませんが、とりあえずは目の前にある恵まれた環境に感謝しつつ、日々を楽しんでいこうと思います。
最後に紹介するのは個人的に思い入れのある一曲。
スコットランド出身のシンガー、Gerry Rafferty(ジェリー・ラファティ)の曲 『Baker Street(霧のベーカー街)』。