自分の住む家と大家の住む家は別なんですが、場所自体は近いので大家の姿を見かけることは多いです。
住民登録を済ませると個々人に割り当てられる税金番号が記された手紙や光熱費、またテレビの受信料の請求などとにかくいろんなものが送られてきます。
それを大家に知らせ、渡しに行ったついでにちょっとお茶することもしばしば。
イギリスで生活していた頃はどこも大家別のフラットに住んでいたのでこういった触れ合いはありませんでした。というかほぼ一人暮らし環境だったのでそもそもフラットメイトとのつながりもなかったに等しいです。
なのでドイツに来てからは新鮮。フラットメイトとの交流も多いし、家の環境的にはようやく欧州らしい生活が体感できているかも。
大家の元を訪れるといつもなにかしらくれます。これまでドイツのお菓子やおすすめのビールなどなど。
以前には昼間から白い液体のリキュールをショットで乾杯しました。ミルクリキュールって言ってたかな?どろっとしててアルコール度数は高め。ドイツで有名らしいです。(それこそ写真撮っておけばよかった)
そんななかで、あるときコーヒー豆をもらいました。
消費期限が近いから20%オフだったらしい。
正直最初は「必要ないかもな」と思いました。すごい失礼な話なんですが。
普段は基本的にスペシャルティコーヒーの豆しか買いません。
あらためてこの「Rapunzel(ラプンツェル)」という名のコーヒーについて調べてみると、生産国はペルーとホンジュラスでアラビカ種100%。
また、オーガニックでパッケージには自社のフェアトレード認証を示したラベルがあります。
この「オーガニック」というのはこっちだと一つのキーワードとなります。
ロンドンではカフェで「今使っているコーヒー豆はオーガニック?じゃないと飲まないよ」みたいな方もちょくちょくおられます。
ヴィーガンフリーやグルテンフリー、デカフェ、砂糖ではなくスウィートナーなどいろんな方がおられるのでそれに対応できるようなお店が多いですね。
オーガニックというと農薬や化学肥料を使用していないということで響きこそ良いですが、その言葉を悪用してただ放置している農園も「オーガニック」と言えてしまうのでなんでもかんでもオーガニックだから良いというわけではないです。(今回の豆を指しているわけではなくコーヒー全般のことを指してます)
また、コーヒーに限る話ではないですが「フェアトレード」というのも一つのキーワード。
簡単に説明すると、世界で流通しているコーヒーの中で最も飲まれているコモディティコーヒーは安価であり、生産者にはほとんどお金が入りません。(一口にコモディティコーヒーといってもその指す範囲が広いので難しいところなんですが)
そんな仕組みを改善するのがフェアトレードで公平な取引を推進させることにより、生産者の生活水準が向上し彼らの生活が守られます。
これによって生産者もより高品質のものを作ろうとするのでコーヒーの品質自体も高まります。
ちなみにスペシャルティコーヒーの世界では「ダイレクトトレード」という言葉があります。
中間業者なしに直接生産者から買い付けをすることで直接生産者にお金が渡るし、コーヒー豆に関する確かな情報が得られ、より良い関係を築くことができるんですね。
なのでスペシャルティコーヒーの豆にこだわるというのは「ただのコーヒーオタクだから」というだけではなく、その豆を買うことで生産者に大きく貢献することができます。
ところで、こちらの豆はすでに挽いてある状態。
一般に売られているものは大体そうですね。
豆は一度挽くと風味の劣化がとても早いです。なので多くのお店では淹れる直前に豆を挽いて提供されます。
そんなこんなでこの豆はフラットメイトにあげようかなとも思ったんですが。
今そこまで金銭的に余裕があるわけでもないし、せっかく頂いたので「淹れてみようかな」と。
グラインドサイズ的には極細挽きなのでV60とかだと厳しそう。
なのでエアロプレスで淹れてみました。
普通に美味しいです。
普段は派手なものを好んで飲んでいるのでたまにはこういうのもいいですね。
今回このコーヒーを飲んで思ったことがひとつありまして。
最近はそこまで大量にコーヒーを摂取しないのであれなんですが、一時期は一日にかなりの量を飲んでいました。
ただ飲みすぎると寝れなくなるので後半はデカフェにしたり。
ただデカフェもスペシャルティコーヒーのものを買っているとかなり出費がかさむんですよね。
デカフェにこだわりがある方やデカフェしか飲まない、飲めない方は別として、それ以外の方はコモディティのものでまかなってもいいんじゃないかなと思いました。
とりあえず、絶賛金欠中のさなかなのでしばらくはこれを飲もうと思います。
今回紹介するのは日系アメリカ人Mike Shinoda(マイク・シノダ)の曲『Hold It Together』。Linkin Park(リンキン・パーク)のメンバーの一人ですね。歌詞が最高。